阿満利麿 amazon:人はなぜ宗教を必要とするのか (ちくま新書)

mayumomo2004-06-13



さも最近読んだかのように綴ろうと思いますが、
読了したのははるか5月のことです(汗)


WEBでまともに頭を働かそうとすると、精神生活が安定してないと
ダメダメだってことがつくづく思い知らされる毎日です。



宗教、とりわけ仏教について学を深めたい方はこの
阿満さんの書かれた本がとても読みやすく
またわかりやすく、エキサイト(?)させてくれますので
興味のある方は阿満さんの著書を買ってみてください。


前回(5月17日更新)のレビューでは、
日本の宗教には「自然仏教」と「創唱仏教」とに区別されると述べました。

あくまでも阿満さんの基準ですが
日本における宗教の発端や、神道と仏教の違いがしっかりつけられています。


この本で私が特に感銘を受けたのは「凡夫」という日本仏教での考え方。


「凡夫」とは自分のなかに自分でもわからない自分がいて
普段とても人当たりの良い、優しい人であっても
時と場合によっては人を殺せる極悪人になる可能性があることを
認識している人のことを指します。


つまり、自分でも統制しようがない自分がいるのだから
人は不安定な存在であり、常識だけでは生きられないということ。


自分が凡夫であると認識する、という仏教での教えは
私がこの数ヶ月の間何度も唱えている
『人知の及ばないことはある』考えと通じるものがあると感じました。


また、凡夫とは「業縁」的な存在だとも言われています。

業縁とは先に述べたような、個人の意識や意志ではどうにもならない行為を意味します。


古代インド語の「カルマ」と呼ばれるもので
通常は良い意味で使われることがあまりないです。


言い換えると心理学で言われる「無意識的自己」が近いかと思います。
(余計分からないかも・・・・)


私は・・・自分の業が深いと常々感じているのでまたもヒットする部分でした。


この本には「人がなぜ人を殺してはならないのか?」の答えがあります。


私はその答えに大納得です。
将来子どもに質問されたら、自信を持って答えられると思います。


私同様に困窮してしまった経験のある方はパラっと捲ってくださいな。



しかし、まだまだ宗教については未熟者。
個人的に宗教についてはもっと勉強したいです。