山本文緒 amazon:眠れるラプンツェル (幻冬舎文庫)
先日購入した山本文緒作品、読了。
amazon:恋愛中毒]や[amazon:パイナップルの彼方などに比べたら
またスウィーツな方です(笑)
痛々しさを自分で招いて全てを崩壊させていく主人公が、
私自身に少し似ていると感じた作品でした。
主人公の女性は28歳、専業主婦、元モデル。
彼女の夫はCMディレクター。家には週末にしか帰ってこない。
彼女は惰眠をむさぼる専業主婦という毎日を好んでいた。
まるで塔に自分から閉じこもっているラプンツェルのように・・・
しかしその毎日を、夫が持ち帰った猫の「タビ」との生活の中で
変化させていく。
そして隣に住む中1のルフィオとの関わりの中で除除に壊していく。
自分の手で。あれほど求めていた退屈な日々を。
中学1年生とそろそろ「おばさん」の領域にさしかかる主婦との恋愛。
こんなテーマ、幸せになれるハズがありません(汗)
でも、早く主人公とルフィオがくっつかないかなぁ、とばかり思ってました。
犯罪ですけどね・・・15歳年下は・・・・。
主人公の彼女は、ある時こんなことに気づく。
「私は誰を愛しているんだろう。誰も愛していないのかもしれない。」
私、そう思うことがよくあります。
その度、自分が怖くなっていく。
眠れるラプンツェル。
本当は、彼女は自分の手で塔の扉を開けることができるのでした。