坂口安吾 amazon:堕落論(角川文庫)
しばらく前にDIARYにおいても紹介しました。
一ヶ月位前に読了したものです。
この本は、坂口安吾の中核にもなるエッセイ。
(坂口安吾の小説はフィクションなのかノンフィクションなのか
時折わからなくなる時もあるがこれはエッセイ)
新潮文庫でも同じく「堕落論」が出版されていますが
内容は少し違うようです。
この中でも「日本文化私観」「恋愛論」「堕落論」「青春論」に
安吾の孤独感、人間のエゴイズム、それでも尚生きようとする力を
強く垣間見た気がします。
坂口安吾はマジョリティからは否定される立場にいる人だと思います。
それを分かっていて、尚自分の信念を貫徹した。
そんな自分をどうしようもない文士だと蔑みながらも。
例えば、森鴎外を斬り、夏目漱石を斬り、志賀直哉を斬り
芥川龍之介と、宮沢賢治と、太宰治を人間らしいと讃えてます。
(「不良少年とキリスト」は太宰について書いたものです)
彼を日本のニーチェだという方もいるようですが
私はニーチェをまだ読んでないので、その辺はカット(笑)
ちと表現が旧記になっているので読みにくいですし
個人の観念思想から内容が難しいので、
私の理解は今のところ3分の1程度です。
しかし私はこの本に惚れてしまいました。ガツンと来ました!
安吾は「死んだら本も自分も名声も全部チャラ!」だと言ってますが。
タイトル買いしたくなる程人生に疲れたら読んでください(笑)