阿満利麿 amazon:日本人はなぜ無宗教なのか(ちくま新書)

mayumomo2004-05-17



宗教学の勉強をしたいなぁ、と呟いていたら
友達がこの本を貸してくださいました。


日本人は自分には属する宗教などはなく「無宗教」だと答えるが
それはなぜなのか?を問い答えていく内容となっています。


阿満(あまと読むらしいです)さんの言葉で言えば
日本の宗教には大きく2種類あって
1つが「創唱宗教」、もう1つが「自然宗教」なのだそうです。

かみ砕いて言えば、「創唱宗教」というのが信仰や回心といった
想像するに優しい宗教の形。


自然宗教」というのはお正月に初詣に行ったり
盆には墓参りをしたり、葬式仏教などを指すそうです。


そう、葬式というのは本来仏教の考え方にはない儀式なのです。


仏教は自分が死んだ時に仏になって地獄に堕ちないように、
そのために生きている間にどのような行いが出来るか
ということを主な目的としています。


生きている時間に焦点づけがなされているので、葬式といった
死者を弔う方式は元来仏教にはないのです。


また、自然宗教というのは、
仏教が伝来される以前から日本人が崇めていたカミを母体としていて
伊勢神宮をはじめとする「神道」とは違うそうなのです。


こうした事実を歴史検証していくと
日本人は本当に「無宗教」と言い切れるのか。
この本では本来の宗教心とはどんなものであるのかを説明してくれています。


例えば、個人の心の中で信仰するだけで完結できないのが宗教なのだ、と。
(つまり布教活動の伴わない宗教は創唱宗教の衰退の現れらしい)



すごく魅力的です、宗教。
阿満さんは仏教自体が時代の流れにおいて致し方なくも衰退したと
言っていますが、本当のところ私は自分の目で確かめたいです。


今日も延暦寺に行ってはこっそりと僧侶観察してました。



この本の後半にあるのですが
アメリカ心理学者のW.ジェームスは
人間には2つの種類があると言っているそうです。


健全な心を持つ“一度生まれの人”と
病める心を持つ“二度生まれの人”。


あなたは自分をどちらだと思いますか?



私は自分を後者だと思って疑わないです(笑)


心理やっている人なんてみんなそうかもしれないですね(^_^;)