唯川恵 amazon:愛なんか (幻冬舎文庫)
うわぁ!ってタイトルですよね。私も買う時躊躇しました(笑)。
しかも表紙は真っ赤な訳ですよ。
明らかに同じ匂いのする女性読者をターゲットにしてますよ。
唯川恵の作品はこれまで読んだことがなく、
時折手に取ってみようと思うのだけど
作者自身の恋愛エッセイ色が強くて倦厭してた節が私にはありました。
オビにちょっと惹かれたので買いましたが。
「覚悟を決めて歩き出す女たちの孤独と痛み」
・・・・・。
えっと、この本は短編集です。
それぞれの主人公はどこか似ていて、年齢はほとんどが30歳頃。
恋愛に溺れる程若くもないし、
このまま結婚もしないで生きるには決断が鈍る。
あとどれくらい女としての自分を他人と分かち合えるか。
打算的になるのはいけないのか。
一本気に男を愛するのはいけないのか。
そういった微妙なラインを生きる都会の女たち。
ここまで恋愛の汚さを如実に描ける作家も相当だと思いますよ。
恋愛を物語り化すると、本来の恋愛の形を表現しようとしながらも
どこかで自分の理想とする恋愛像を創り上げてしまうものです。
だけど、唯川氏の恋愛小説は
そういった自分の背丈より一歩上を行く恋愛を徹底排除している。
心地良く読み終わるはずないです。
村山由佳のようにハッピーエンドで完結したり
山本文緒のように新しい選択をしていく終わり方をしないですし
ただ“私このままでいいの?”と気づきを得て終わっていきます。
30歳で一人身ってこんな風になるのかーなんてぞっとしましたが
うちの姉も今年30歳です(苦笑)。
今度姉に貸してみようと思います。
あ、でも皮肉すぎるか。(^_^;)